科学ニュース+板 (32/111)
最初の四足動物は歩けなかった
May 24, 2012
最初期の陸上四肢動物の1種、イクチオステガ(Ichthyostega)は、歩くことができなかったようだと、3Dモデルを使った最新の研究が示唆している。イヌぐらいの大きさのこの動物は、短い4本の脚のうち2本だけを移動に使い、陸上では、ぱたぱたと跳ね回っていたと考えられる。
最近まで、イクチオステガはサンショウウオのように4本の脚を使い、泥の中をはい回っていたと考えられてきた。しかし今回、イクチオステガの骨格をはじめて3Dでデジタル再構成したところ、前肢が十分に回転せず、4足歩行はできないことがわかった。
また3Dモデルによると、後肢はほとんど地面に触れていないようだ。せいぜい、現在のムツゴロウのように泥の中で跳ね回るときに、下半身を支えている程度だっただろう。
骨格を持つ陸上四肢動物の最初の祖先は、海中で生まれたと科学者は考えている。それから何千万年もの進化の過程を経て、四肢動物はデボン紀の海岸に上がり始めた。
化石の変化をたどると、泳ぐ動物から歩く動物への移行の最初の兆候は、約3億9000万年前、つまり、イクチオステガの最初の化石よりも約3000万年前に見られる。
ロンドン大学王立獣医学カレッジ(Royal Veterinary College)の古生物学者ステファニー・ピアース氏(Stephanie Pierce)の研究チームは、イクチオステガの歩行法を探るため、グリーンランドで見つかった「ミスター・マジック」と呼ばれるほぼ完全な化石をスキャンして、3Dのコンピューターモデルを作成した。欠けている部分は、やはりイクチオステガのものとされているほかの12個の標本の化石骨のスキャンで補った。
比較のため、現生のワニ、カワウソ、アザラシ、カモノハシ、サンショウウオの骨格もスキャンし、同様にモデル化した。
「動物のモデルをコンピューターで制御して動かしてみたところ、イクチオステガはほかの現生動物と大きく異なって見えた」とピアース氏は話す。「イクチオステガが脚を使って何かまったく別のことをしていたに違いないことをはっきりと示す結果だった。問題は、何をしていたかだ」。
◆ムツゴロウのように
さらに分析してみると、イクチオステガの前肢の動きは非常に限定されており、背骨も曲がりにくいらしいことがわかった。後肢は、体を前に進める四足歩行の役には立っていなかったことも推測された。
イクチオステガは、歩くのではなく、前肢を前後に「漕いで」いた可能性が高いと、ピアース氏らは結論づけた。ムツゴロウが短い胸びれで泥の中を滑って移動するのに近い。
イクチオステガを「親友」と呼ぶスウェーデン、ウプサラ大学の古生物学者ペル・アーンベリ氏は、ピアース氏のチームの業績は、海中から陸上への移行期の動物を対象とした初めてのこの種の研究であり、非常に詳しいものだと評価する。アーンベリ氏は今回の研究に参加していない。
しかしアーンペリ氏は、イクチオステガの後半身がほとんど何もしていなかったという見解には 異論を唱える。
「そこには多くの筋肉が付いていたと考えられる。骨盤も(とくに魚と比べると)非常に大きく、 何か大切な働きをしていたに違いない。そうでなければここにあるはずがない。進化上のコストが 大きすぎる」とアーンベリ氏は指摘する。
しかしピアース氏の研究チームは、後肢と骨盤は、どちらかというと泳いだり漕いだりするために 使われたと主張する。イクチオステガの主な移動方法は、そのようなものだったと考えているのだ。 一方アーンペリ氏は、「賭けてもいいが、イクチオステガの固い背骨からすると、泳ぐと奇妙な姿に なったはずだ。お風呂に浮かべるゼンマイの魚のおもちゃのような感じだ」と話す。
ピアース氏のチームは今後、この古代生物の背骨についてさらに細かい計算をして、完全に生きて いるような動きを再現したいと考えている。
「当時の陸地は生態学的に完全にフリーな環境で、いくらでも利用できた。これら初期の四肢動物 には何をすべきかがわかっていた。そこは彼らの自由になる世界だった。彼らがこの新しい環境で どのようにしてしっかりと歩くようになっていったのか、そこを解明したい」とピアース氏は 話している。
イクチオステガについての研究は、「Nature」誌の電子版に5月23日付けで掲載された。 (記事引用ここまで)
▽ナショナルジオグラフィック
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120524002&expand#title
英語元記事
http://news.nationalgeographic.com/news/2012/05/120523-tetrapod-walk-flopped-nature-science-ichthyostega/
▽画像 イクチオステガの想像図。今回の研究でスキャンに用いられた化石の骨格が見えるよう皮膚を透明にしてある。
▽Nature掲載の論文要旨Three-dimensional limb joint mobility in the early tetrapod Ichthyostega
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11124.html
May 24, 2012
最初期の陸上四肢動物の1種、イクチオステガ(Ichthyostega)は、歩くことができなかったようだと、3Dモデルを使った最新の研究が示唆している。イヌぐらいの大きさのこの動物は、短い4本の脚のうち2本だけを移動に使い、陸上では、ぱたぱたと跳ね回っていたと考えられる。
最近まで、イクチオステガはサンショウウオのように4本の脚を使い、泥の中をはい回っていたと考えられてきた。しかし今回、イクチオステガの骨格をはじめて3Dでデジタル再構成したところ、前肢が十分に回転せず、4足歩行はできないことがわかった。
また3Dモデルによると、後肢はほとんど地面に触れていないようだ。せいぜい、現在のムツゴロウのように泥の中で跳ね回るときに、下半身を支えている程度だっただろう。
骨格を持つ陸上四肢動物の最初の祖先は、海中で生まれたと科学者は考えている。それから何千万年もの進化の過程を経て、四肢動物はデボン紀の海岸に上がり始めた。
化石の変化をたどると、泳ぐ動物から歩く動物への移行の最初の兆候は、約3億9000万年前、つまり、イクチオステガの最初の化石よりも約3000万年前に見られる。
ロンドン大学王立獣医学カレッジ(Royal Veterinary College)の古生物学者ステファニー・ピアース氏(Stephanie Pierce)の研究チームは、イクチオステガの歩行法を探るため、グリーンランドで見つかった「ミスター・マジック」と呼ばれるほぼ完全な化石をスキャンして、3Dのコンピューターモデルを作成した。欠けている部分は、やはりイクチオステガのものとされているほかの12個の標本の化石骨のスキャンで補った。
比較のため、現生のワニ、カワウソ、アザラシ、カモノハシ、サンショウウオの骨格もスキャンし、同様にモデル化した。
「動物のモデルをコンピューターで制御して動かしてみたところ、イクチオステガはほかの現生動物と大きく異なって見えた」とピアース氏は話す。「イクチオステガが脚を使って何かまったく別のことをしていたに違いないことをはっきりと示す結果だった。問題は、何をしていたかだ」。
◆ムツゴロウのように
さらに分析してみると、イクチオステガの前肢の動きは非常に限定されており、背骨も曲がりにくいらしいことがわかった。後肢は、体を前に進める四足歩行の役には立っていなかったことも推測された。
イクチオステガは、歩くのではなく、前肢を前後に「漕いで」いた可能性が高いと、ピアース氏らは結論づけた。ムツゴロウが短い胸びれで泥の中を滑って移動するのに近い。
イクチオステガを「親友」と呼ぶスウェーデン、ウプサラ大学の古生物学者ペル・アーンベリ氏は、ピアース氏のチームの業績は、海中から陸上への移行期の動物を対象とした初めてのこの種の研究であり、非常に詳しいものだと評価する。アーンベリ氏は今回の研究に参加していない。
しかしアーンペリ氏は、イクチオステガの後半身がほとんど何もしていなかったという見解には 異論を唱える。
「そこには多くの筋肉が付いていたと考えられる。骨盤も(とくに魚と比べると)非常に大きく、 何か大切な働きをしていたに違いない。そうでなければここにあるはずがない。進化上のコストが 大きすぎる」とアーンベリ氏は指摘する。
しかしピアース氏の研究チームは、後肢と骨盤は、どちらかというと泳いだり漕いだりするために 使われたと主張する。イクチオステガの主な移動方法は、そのようなものだったと考えているのだ。 一方アーンペリ氏は、「賭けてもいいが、イクチオステガの固い背骨からすると、泳ぐと奇妙な姿に なったはずだ。お風呂に浮かべるゼンマイの魚のおもちゃのような感じだ」と話す。
ピアース氏のチームは今後、この古代生物の背骨についてさらに細かい計算をして、完全に生きて いるような動きを再現したいと考えている。
「当時の陸地は生態学的に完全にフリーな環境で、いくらでも利用できた。これら初期の四肢動物 には何をすべきかがわかっていた。そこは彼らの自由になる世界だった。彼らがこの新しい環境で どのようにしてしっかりと歩くようになっていったのか、そこを解明したい」とピアース氏は 話している。
イクチオステガについての研究は、「Nature」誌の電子版に5月23日付けで掲載された。 (記事引用ここまで)
▽ナショナルジオグラフィック
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120524002&expand#title
英語元記事
http://news.nationalgeographic.com/news/2012/05/120523-tetrapod-walk-flopped-nature-science-ichthyostega/
▽画像 イクチオステガの想像図。今回の研究でスキャンに用いられた化石の骨格が見えるよう皮膚を透明にしてある。
▽Nature掲載の論文要旨Three-dimensional limb joint mobility in the early tetrapod Ichthyostega
http://www.nature.com/nature/journal/vaop/ncurrent/full/nature11124.html
20:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 11:50:26.53 ID:33EXSq5W
>>10
麻雀が弱い
麻雀が弱い
21:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 11:52:29.57 ID:TJVLnBQr
>>10
亀の気持ちを理解するため甲羅に入ってみようとしない
亀の気持ちを理解するため甲羅に入ってみようとしない
22:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 12:00:21.18 ID:pxh16lF2
>>10
動物の飼育をしない
動物の飼育をしない
11:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 10:48:04.33 ID:wUuka2O4 << 23
ガノトトスが釣り上げられてピチピチしてる様な感じ?
23:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 12:07:10.49 ID:qqvKtFJI
16:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 11:16:17.26 ID:Oy46HaYp << 31
まあまだ議論の余地はあるんだろうが。
DNAやコンピュータモデルによる解析による最新の科学で古生物たちは昔の想像図とは
全然違う物になってゆくな。知的好奇心を刺激される一方、昔の思い出や古生物に対する
イメージを壊されて寂しいような。
DNAやコンピュータモデルによる解析による最新の科学で古生物たちは昔の想像図とは
全然違う物になってゆくな。知的好奇心を刺激される一方、昔の思い出や古生物に対する
イメージを壊されて寂しいような。
31:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 13:02:26.13 ID:XaxZQ+1l
>>16
昔の想像図は頭だけ魚っぽいのっぺりイモリみたいで可愛かったのにな
昔の想像図は頭だけ魚っぽいのっぺりイモリみたいで可愛かったのにな
26:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 12:42:15.60 ID:V87hGdEd << 29
>歩けず、ぱたぱたと跳ね回っていた?
カエルのようにか?
犬の大きさでか?
どうみてもコドモドラゴンのように歩くとしか思えん
カエルのようにか?
犬の大きさでか?
どうみてもコドモドラゴンのように歩くとしか思えん
29:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 12:58:01.00 ID:lIl548EL
36:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 14:37:54.58 ID:vb4DiYF8 << 39
こういう人って翼竜も飛べなかったって言ってるんだろ?
39:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 15:10:00.51 ID:8TRmdyo9
>>36
それはまだいいが、現生のアホウドリやクマバチも計算上飛べないはずだと言ってたような連中だからな。
それはまだいいが、現生のアホウドリやクマバチも計算上飛べないはずだと言ってたような連中だからな。
40:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 15:19:08.64 ID:iXqjOuvC << 41
骨の組み方が間違ってるんじゃないのか?
41:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 15:41:01.05 ID:lIl548EL
>>40
ほぼ全身丸ごと完全な形で見つかってるから、それは流石にないんじゃね?
まぁ、全身の骨が見つかっても「どうやって立ってたか」とか「首はどこまで曲がったか」とかは
わかりにくいんだけどな。実際、恐竜はどんなに骨が綺麗に見つかっても、その当たりが曖昧なままだし
ほぼ全身丸ごと完全な形で見つかってるから、それは流石にないんじゃね?
まぁ、全身の骨が見つかっても「どうやって立ってたか」とか「首はどこまで曲がったか」とかは
わかりにくいんだけどな。実際、恐竜はどんなに骨が綺麗に見つかっても、その当たりが曖昧なままだし
42:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 15:47:38.87 ID:efkedl9V << 44
ばたばたと跳ねまわるってのがどういう動きなのか想像しにくい
44:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 16:05:29.15 ID:MHs4Oyno << 53
>>42
アザラシの匍匐前進(?)ならYoutubeとかで検索すればみつかると思う。
腹筋と背筋でぽよんぽよんとはねるようにして移動する様はかなりコミカル。
ただイクチオステガの場合はまた違う挙動じゃないかと思うけどね。
体を左右にくねらせるようなイメージじゃないだろうか。
アザラシの匍匐前進(?)ならYoutubeとかで検索すればみつかると思う。
腹筋と背筋でぽよんぽよんとはねるようにして移動する様はかなりコミカル。
ただイクチオステガの場合はまた違う挙動じゃないかと思うけどね。
体を左右にくねらせるようなイメージじゃないだろうか。
53:素人 ◆GD..x272/. 2012/05/25(金) 19:49:16.72 ID:YBNARcKy
>>44
>>1を読めば分かるが、体はくねらないっぽい。
ちなみにムツゴロウはこんな↓動き。見れば分かりやすい。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=UuFFqff-GlM#t=45s
(たまに顔を左右に振るのは、泥中の珪藻を食べている所)
>>1を読めば分かるが、体はくねらないっぽい。
ちなみにムツゴロウはこんな↓動き。見れば分かりやすい。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=UuFFqff-GlM#t=45s
(たまに顔を左右に振るのは、泥中の珪藻を食べている所)
52:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 19:16:36.41 ID:NN9E05g4 << 55
57:名無しのひみつ 2012/05/25(金) 23:51:59.66 ID:HdRH8LGd
>>55
実は両生類と肺魚・硬骨魚の関係って
条鰭類(普通の硬骨魚) 肉鰭類(肺魚) 両生類
| | |
| | |
| ‾‾|‾‾
‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
これ位の関係なんだそうで。
両生類は特殊な肺魚でしかない。
実は両生類と肺魚・硬骨魚の関係って
条鰭類(普通の硬骨魚) 肉鰭類(肺魚) 両生類
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‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
これ位の関係なんだそうで。
両生類は特殊な肺魚でしかない。
59:(,,゚д゚)さん 頭スカスカ 2012/05/26(土) 00:29:58.03 ID:fts2r3XY << 62
ライバルがいなけりゃのらくら陸上移動しても問題なかった
ろうけど、当時はウミサソリも上陸してたようだな・・
ろうけど、当時はウミサソリも上陸してたようだな・・
62:名無しのひみつ 2012/05/26(土) 13:57:20.23 ID:49YrfXxU
75:素人 ◆GD..x272/. 2012/05/26(土) 22:09:28.37 ID:DMQro3UP
>>1で述べられているムツゴロウは草食(微生物食)性だけど、
同じ歩行様式を持つトビハゼは肉食性で、干潟上の小型生物を捕食してる。
陸生になった節足動物の全てがゴキブリ並みに素早いとは思えない。
特に干潟は走るのは難しい。そういう所なら捕食できるかも。
同じ歩行様式を持つトビハゼは肉食性で、干潟上の小型生物を捕食してる。
陸生になった節足動物の全てがゴキブリ並みに素早いとは思えない。
特に干潟は走るのは難しい。そういう所なら捕食できるかも。
77:名無しのひみつ 2012/05/26(土) 22:49:46.00 ID:b6/tyyUp
101:名無しのひみつ 2012/05/29(火) 20:05:12.47 ID:Dxdh+xzY << 109
陸を跳ね回ったり前肢を前後に「漕いで」いただけなら、ティクターリクみたいに前足だけでよかったろ。
がっしりとした後ろ足を使っていなかったなら、即退化したはずだ。
アーンベリ氏に同意。
あんなにコストがかかっている身体部位に役割がなかったという説は、到底受け入れがたい。
がっしりとした後ろ足を使っていなかったなら、即退化したはずだ。
アーンベリ氏に同意。
あんなにコストがかかっている身体部位に役割がなかったという説は、到底受け入れがたい。
109:名無しのひみつ 2012/05/30(水) 12:53:57.79 ID:usGFIsUK
>>101
イクチオステガが「一度進出した陸上から再び水棲へと回帰しようとしていた種」という解釈はどうだ?
今はイクチオステガの先行種が想定されてるんだし、後の四肢動物と系統の繋がらない傍系という説が
主流なんだから
イクチオステガが「一度進出した陸上から再び水棲へと回帰しようとしていた種」という解釈はどうだ?
今はイクチオステガの先行種が想定されてるんだし、後の四肢動物と系統の繋がらない傍系という説が
主流なんだから
(>> ソース)
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